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B-1JAPAN2007に寄せて
 
 
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今年のB-1JAPANのテーマは「MESSAGE」。
主催団体・BOJがその年の4年生のカラーに合わせて考えるというテーマ。
今年はファンや選手に何かを伝えたいという選手が多かったことから、このテーマを設定したという。
 
入場から最後の挨拶からカーテンコールまで、選手はめいっぱいのアイディアを持ち寄って、自分たちの気持ちをファンに伝えてくれたように思う。
 
彼らのメッセージとは、きっとこうだったのだろう。
「俺たちのバスケットを楽しんでほしい」。
 
彼らには、小さなコンプレックスがある。
それは、一学年上の選手たち。 今年の4年生は、竹内公輔(アイシン)、譲次(日立)、石崎巧、菊池祥平(共に東芝)、岡田優介、正中岳城(ともにトヨタ)ら、そうそうたるスタープレーヤーが集まった84年組の後輩として、小・中・高・大、常に比較されながらバスケット生活を送ってきた。
 
取材でも「先輩たちには負けたくない」というような言葉を、何人もの口から聞いた。
「ゴールデン世代の次で谷間の代って言われるのは悔しいですし…」
日大の齊藤崇人は、Free bas.6月号のインタビューでこのようなコメントを残している。
 
その影響からか、今年の4年生はプレー以外の面からも、バスケットを盛り上げようという意識が顕著だったように思う。
夏には、Free bas.、S-move、BOJの3媒体に選手の座談会を掲載してもらった。 今回のB-1JAPANに関しても、夏頃から選手が自主的に集まり、話し合いを進めていた。
齊藤は自ら企画を提案。小林慎太郎を交えて何度かスタッフミーティングに足を運んだ。
  これまで、B-1JAPANに参加していた4年生は当日参加するだけの「お客さん」という印象が強かったが、今年の4年生は目に見えない部分から、「主役」として動いていたのである。
  「これは私見なのですが…今年の4年生は、去年とのレベルの差を感じ取っていると思います。プレーは彼らには敵わない。じゃあどうやって自分たちはお客さんに見せようか、ということをよく考えてイベントに参加してくれたはずです。」
BOJ代表の魁生佳余子氏はこのように分析している。
  彼らは持ちうるだけのサービス精神とバスケットスキルを持ち寄って、
素晴らしいイベントを作り上げた。
BOJも選手の意見を汲み、それをいかにスムーズに進行していくかという部分に注力を注ぎ、当日のプログラムの組み立てや運営・進行スタッフらの連携を強めた 。
お互いが「観客を楽しませたい」という一心で、準備段階からイベント終了までを
過ごしていたはずだ。
  そこで、観客としてイベントに参加したみなさん、そして大学バスケットを応援している人に
考えてほしいことがある。
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「彼らの思いを受け止めた私ができることは何だろう?」
  イベント中に、選手やMCが何度も「盛り上がってほしい」とアピールしていた。
何人かの選手は実際に口に出して、みなさんに伝えていた。 彼らが一番欲しがっていたもの、それは彼らの言葉通り、みなさんの「盛り上がり」に他ならないだろう。
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  魁生氏は、毎年「見学者撲滅運動」をスローガンにイベントの改良をはかっていると話す。
見学者とはつまり、観客であるみなさんのこと。
みなさんには、ただ単にイベントを見に来た「お客さん」ではなく、イベントを作り上げる「参加者」になってほしいと心から願っているのだ。
 
  おそらくイベントに訪れた人は、彼らのプレーに何度も勇気づけられ、
感動させられた人がほとんどであろう。
そんな選手たちが、普段よりも格段に近い距離で、大学生活最後のバスケットを、
4年間の思いを、必死で伝えていた。
押しつけがましい意見で申し訳ないが、彼らの思いに応えようと思ってイベントに
「参加」していた人がどれだけいただろうか。
そもそも、自分にも彼らを楽しませることができる、恩返しできると気づき、
行動した人が何人いただろうか。
 
  何も奇声をあげろとか、踊れとか言っているわけではない(本当はこれくらいのほうがわかりやすくていいけれど)。
本当に簡単なことでいいはずだ。ナイスプレイには力強い拍手を送る。選手のオチャメなボケやリアクションを見たら声を出して笑う。
その上でまだ余力があるならば、奇声を上げたり、踊りだせばいい。
 
  ストリートバスケットのオーディエンスは、自分たちのレスポンスが選手と会場全体のテンションをグイグイ上げていることを本能的に知っている。
だから場の盛り上げ方が非常にうまい。
ロックバンド(古い言い方ですみません)のライブで起こる現象とおそらくは同じものだろう。
スポーツも音楽も、選手もファンも、大事なのはそのときその場所に漂う「ライブ感」なのだ。
 
 
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  B-1JAPANも早いもので6回目の開催となった。
観客のレスポンスは年々よくなってきていると魁生氏は話すが、
はっきり言ってまだまだ全然足りていない。
日本人がシャイなのは仕方のないことではあるが、選手がみなさんに送った愛情には、
みなさんもはっきりわかる形でお返しをする。それが正しいファンのあり方ではないだろうか。
 
  ファンが変われば選手が変わる。
選手が変わればファンが変わる。
つまりは表裏一体。
 
  話が飛躍してしまって申し訳ないが、お互いの関係性をしっかり認識することによって、
日本におけるバスケットボール文化のかたちも、
だんだん良いものへと変わっていくのではと思う。
私は観客と選手が渾然となって作り上げられるバスケットボール文化の誕生を、
心から望んでいる。
 
 
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  青木 美帆(あおき・みほ)
1984年生まれ。早稲田大学第二文学部卒
在学中は同大学のスポーツ報道サークル「早稲田スポーツ新聞会」に所属、早大バスケットボール部を担当する。在学中からライター活動を開始し、現在はフリーライターとして「中学バスケットボール」(白夜書房刊)などで執筆中。
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